CMMI成熟度レベル別に見たソフトウェア品質の良否に関わる要因の複合的分析

ses2015
柳田礼子, 野中 誠, 誉田直美, ソフトウェアエンジニアリングシンポジウム2015,pp.63-68, 2015, 一般社団法人情報処理学会

ソフトウェア品質の良否に影響する要因の一つとしてCMMIで示される開発組織の能力がある.組織能力の成熟度レベルを効率よく上げるには,各成熟度レベルにおいてソフトウェア品質の良否に影響する要因を把握する必要がある.本論文では,商用ソフトウェア開発プロジェクト522件のデータを対象に,成熟度レベル別に分類木を構築し,有意差検定と相関分析を組み合わせてソフトウェア品質の良否に影響する要因を複合的に分析した.その結果,成熟度レベル1では開発規模,上工程バグ数/KL,および上工程バグ摘出率が良否を分ける要因と示された.成熟度レベル2では開発規模とテスト工程バグ数/KLが要因と示され,開発規模は成熟度レベル1の約4倍の境界値となった.成熟度レベル3では有意差検定の結果からテスト工程バグ数/KLが主たる要因と示された.成熟度レベル3では,テスト後半にバグが残存している場合にテスト工数が十分にかけられずに出荷後の品質が悪くなる傾向が確認された.

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