複数組織データに見るシステムリスクと開発コストの関係

SIGSE186_nonaka_1017_ページ_1野中 誠, 情報処理学会研究報告 Vol.2014-SE-186, no.11, 1-6, 2014-11-14, 一般社団法人情報処理学会

IPA/SEC高信頼性定量化部会では,ITプロジェクトの価格適正化に資する情報提供を目的として,「高度なITシステムの開発には相応のコストが必要である」という仮説を立てて調査を行った.調査では,部会委員の所属組織を対象に,開発対象ソフトウェアのシステムリスクが高い場合と低い場合のそれぞれについて,開発規模当たりの総開発工数,総テスト工数,および総テスト項目数の分布を比較した.その結果,開発規模の影響を吟味する必要性があるものの,開発規模当たりの総開発工数と総テスト工数についてはシステムリスクが高い場合の方が工数の平均値が大きくなる傾向が一部確認できた.一方,総テスト項目数については,システムリスクが高い場合と低い場合で平均値に差があるとはいえないことが確認できた.

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